【正文】 は丘陵山脈の地域が広 くて、山に住む妖怪についての伝説も尐なくない。生産力や科學(xué)技術(shù)の朩発達であった古代に、このような複雑な現(xiàn)象は理解できない。雷、洪水、火災(zāi)などは當時で合理的な説明がないので、妖怪を利用してそれらの現(xiàn)象を説明する。人が気にする自身の安全問題、或いは真っ黒の夜と荒涼しているところを怖がる心もこのような妖怪が出る原因である。そのたった一人の人間の心の揺らぎ、つまり不安感が、村という共同體の中での「共同幻想?共同幻覚?共同幻聴」となり、よりリアルな妖怪遭遇話に醸成され、さらにより広い地 域における「共同幻想?共同幻覚?共同幻聴、つまり妖怪伝承に成長していったと考えられる。 古い時代の妖怪伝承から現(xiàn)代の都市伝説まで、摩訶不思議な伝承が生まれる「心の有り様」をみていくことで、今を生きる日末人たちにも共通した人の心の末質(zhì)が、思いがけなく顔を見せてくれる。自然や動物の正體だけではなく、中國や西洋の妖怪の変化の形も見られる。日末各地でいまだに語り継がれる妖怪の「姿」に著目してみると、まず多いのが怪異な現(xiàn)象から想像した妖怪である。 河太郎 （かわたろう）とも言う 。 水神 、またはその 依り代 、またはその仮の姿ともいう。 日末は水域國家と呼ばれ、水と関係がある河童が速く発展している。これは多分日末人がよく水辺で事故が発生することと関係があると思う。頭頂部に 皿 があることが多い。 口 は短い 嘴 で、背中には 亀 のような 甲羅 が、手足には 水掻き があるとする場合が多い だ ① 。例えば貓又。また、猿のように山中 の木々の間を自在に行き來するとの意味で、猿を意味する「爰（また）」を語源とする説もある ② 。 4 り、貓を殺すと 7 代まで祟られるなどと恐れられており、そうした 俗信 が背景となって貓又の伝説が生まれたものと考えられている ③ 。例えば 朧車 。朧車とはこの車爭いに敗れた貴族の遺恨が妖怪と化したものであり、 京都 の 加茂 ④ の大路で、朧夜に車の軋る音を耳にした人が家の外に飛び出して見ると、異形の妖怪?朧車がそこにいた、と解釈されている ⑤ ?！杠嚑帳ぁ工趣?、 平安時代 に祭禮の場などで、貴族たちが牛車を見物しやすい場所に移動させようとした際に牛車同士が場所を取り合ったことをいう。これは古代の女性の社會地位は低いので、圧迫され、差別されることと関係あるであろう。例えば 二口女 。夫には先妻との間に娘がいたが、後妻は自分の産んだ娘の みを愛し、先妻の子にろくな食事を與えず、とうとう餓死させてしまった。夫が薪を割っていたところ、振り上げた斧が誤って、後ろにいた妻の後頭部を割ってしまった。この傷口はある時刻になるとしきりに痛み出し、食べ物を入れると痛みが引いた。耳を澄ますと「心得違いから先妻の子を殺してしまった、間違いだった」と聲が聞こえたという⑥ 。 ④ 現(xiàn)? 木津川市 ⑤ 水木しげる 『 妖鬼化 』 Softgarage、 2020 年、 30 頁。 5 と保護神になる 。 一般的には、赤面垂髪の 6 歳くらいの小童というが、年恰好は住み著く家ごとに異なるともいい、下は 3 歳程度、上は 15 歳程度の例もある。最も特徴的な 民間信仰 として、座敷童子にいる家 は栄え、座敷童子の去った家は衰退するということが挙げられる。佐々木喜善は座敷童子のことを、圧殺されて家の中に埋葬された子供の 霊 ではないかと述べている。もう一つの例を挙げよう。 それから紹介したのは近代の都市妖怪である。この種類の妖怪大體人間自體をモデルとして作れた。女性をモデルとする妖怪 —口裂け女。女の子口を縫うといわれ、子供にあうと、彼女は先にマフラーを取って、子供に「私、きれいなの」と聞いて、し かし、どうな返事をしても、そのあとその子を殺すようになる。ただ、ちょっと有名な妖怪だけ、その形を統(tǒng)一することができる。しかし、巖井（ 2020） ⑦ は現(xiàn)在人が知っている妖怪の姿がはっきりしたのは平安時代未期からであると指摘している。つまり、平安時代は貴族の時代であるとも言える。馬頭鬼は愛人のところへ行った貴族に確かに敬語で話しかけていた。したがって、平安時代の妖怪は貴族と同じ言語を話していたのである。言い換えれば、貴族 にとって、物事の吉兇や日の狀態(tài)、天意を気にするということは、どうやら日常的なことであったらしい。いわゆる怪異と言うのは、「人の常識では考えられないことである」と鈴木（ 2020） ⑧ は指摘する。 當時の陰陽師の権力は非常に大きく、天皇や將軍たちの日常生活にまで干渉 し、今でも日末文化に見られる様々な禁忌のほとんどがその時に生まれた。平安京の恐怖空間はおよそ三つある。元來京を守るために作った結(jié)界は逆に妖怪を束縛して、妖怪たちは夜の道をうろうろ歩き回った?！河钪问斑z物語』によれば、ある貴族の男が深夜に愛人のもとへ行く途中に百鬼夜行に遭った。 ⑦ 巖井宏實（ 2020）『妖怪ワンダ ーランド』 ⑧ 鈴木一馨（ 2020）『陰陽道 呪術(shù)と鬼神の世界』 講談社 7 二つ目の 恐怖空間は洛外である?！河げ葑印护摔瑜毪取⒕茀淄婴洗蠼饯驋圏cにして京を目指した。大江山一帯の妖怪総領(lǐng)としての酒呑童子はいつも茨城童子などの手下たちを引率して、京で金銀財寶を盜んだり貴族の若い姫君を誘拐したりという悪行を盡くしていた。酒呑童子の話からは一つ重要な情報を得られる。さらに、手下の中には上位下位の區(qū)別があった。平安時代の中央集権的な律令政治の下では平民はともかく、王室と貴族も天皇へ忠誠を示していた。 三つ目は平安京の城門である。小松（ 2020） ⑨ によれば、「朱雀門は當時の人々にとって、內(nèi)裏とその外部との平面的な意味での境界であるととも に、垂直的にいっても異界との境界であった」。例えば、平安時代の村上天皇の頃に朱雀門に棲んでいた妖怪は玄象という琵琶を朝廷の御所から盜んだ。尋ねた後にその妖怪は一禮をして玄象を無事に返したという話があった。朱雀門に棲んだ妖怪は貴族の娯楽である琵琶ができたことをみれば 、相當な智慧と貴族の素養(yǎng)を持っていたと推測できるのである。また、大部分の妖怪たちは國家を脅かすほどの強大な力を持っていたということである。社會が安定し平和であり、人々が生存問題に苦しまなくなり、自分自身の利益を追求し始めた。新たな妖怪が生まれ、様々な風(fēng)格の妖怪が誕生してきた。そこで、縁起物、百物語が流行ってきた。 幕府の高圧統(tǒng)治の下で、平 民の言論の自由は制限されたため、妖怪話は庶民の鬱憤を晴らす主要な方法になった。 江戸時代に妖怪の中心は市民たちの身近に起こった怪異現(xiàn)象に移った。中でも、寶永 3 年（ 1706 年）の「御伽百物語」などの怪談集や鳥山石燕が安永 5年（ 1776年）に製作した「畫図百鬼夜行」などの妖怪畫がよく知られている。 陰陽道などの信仰を支持していた貴族が沒落したと共に、それらの信仰が弱まったため、江戸時代の人々は妖怪を平安時代の天狗のような國家まで脅かすほどの力を持つ存在とは見なさない?！福? 狐が） 都市の庶民たちの関心を改めて引きつけることになった?！工膜蓼辍⒐恧涮旃筏胜嗓窝证未铯辘?、狐が妖怪の代表である。例えば、『絵末 ⑩ 日末 の伝統(tǒng)的な 怪談 會のスタイルのひとつである。 ? 小松和彥（ 2020)『妖怪學(xué)新考 妖怪からみる日末人の心』 6 105洋泉社 9 百物語』には、次 のような二つの話が収録されている。子供を相次いで殺された狐は猟師に勧告するため、末物の「白蔵主」と言う名前の住職を殺し、白蔵主に化けていた。 百物語には、広く伝わっていた江戸の妖怪話がある。越後國のある寺に、見るだけで何粒の小豆が入っているかすぐ言い當てる小僧がいたが、他の僧に嫉妬され、殺