私から見た日本の居酒屋文化(完整版)
【正文】 江戸時代の酒場 太平が続いた江戸時代には、江戸や各地の城下町 [9]を中心に都市が発達したこともあり、商業(yè)が盛んになり、酒の消費も急激に増えた。やがて、武士が臺頭し、源平の時代となると、よく遊女の話が出てくるから、遊女 [8]を提供し酒を飲ませる商売もあったはずだが、よくは分からない。當(dāng)時の貧しい農(nóng)民が、いつも酒を飲めたとは思えない。そのような昔からの日本人は、主従、仲間、利害関係といった人間関係の根回しに、酒を利用してきた。だから、日本の居酒屋の歴史もかなり古いことは間違いない。また、新年會や忘年會、大切なことを皆で一緒に頑張って仕上げた時、一斉に居酒屋に行く。江戸時代の酒場、江戸川柳の居酒屋、落語の居酒屋、明治から昭和にかけての酒場、本來、往來を歩いていて、長い歴史があった。ひとつの完成した飲酒文化であり、多くの人々の人生に、生き甲斐を與えてきたという立派な功績もある。『古事記』 [1]にススコリという帰化人が獻上した酒が「笑酒（えぐし）」つまり美酒なので、大王（おおぎみ、応神天皇）も喜ばれたとある。 當(dāng)時は白酒、黒酒と呼ばれたようなちゃんとした酒を宴會で飲めたのは貴族だけで、庶民は萬葉集の山上憶良の『貧窮問答の歌』にあるような「糟湯酒」 [7]という、酒粕を湯で溶いたものなどを飲むのが精一杯だったようだ?！隔~酒の禁」や、祭りや醫(yī)薬以外の目的での飲酒宴會を禁じる政令が頻繁に出たりした一方で、渡來人系の秦氏などによる民間の酒造りも普及し、平安京には早くから居酒屋があった 。 やや時代が下って、鎌倉中の酒売りを禁止し、その際、一軒に一壷を除いて、酒壷をすべて破壊させた。慶安時代には大酒が流行り、酒飲み合戦も盛んだったというから、かなり酒場もあったのかもしれない。 文化、文政ごろで、飯のおかずや酒の肴は、特別なものを除けば八文均一だったので、「なん八 屋」とも呼んだ。それでも酒はなかなか止められない。升酒屋は簡単な酒場でもあった。しかし、ビールやシャンパンの値段は日本酒の十倍以上もしたらしい。特に１９８０年代ごろから居酒屋のチェーン店化が進んだ。 酒はどう飲めば美しいか 居酒屋で美しい飲み方と美しくない飲み方がある。飲んだ後は軽くため息ついてもらって、 小聲で「おいしい …… 」と、その後もちろんご返盃。小ぶりの上品な焼き鳥と気のきいた肴 。 居酒屋はまたおじさんたちの一人の孤獨なデードのよい場所だ。サウナではぼんやりで きるけれど、ぼんやりするために服を脫がねばならぬのも大変だ。 一日の仕事を終えたときはどこか頭の中に興奮がまだ殘っている。それをつまんで口にもってきてアーンしろという。固い雰囲気がほぐれてリラックスしてくるときはいい、笑い聲が始まると楽しい、人間性が出るのはいい、本音も出てくるのはいい、批判や悪口 …… グチや主張も …… 仕事上の不満や、女房についての話や、子供についての話や、そういう風(fēng)に飲みながら笑ったり、話したりして、ストレスも解消する。上司の主張に対して、自分なりの見方があり、そんな不満、不納得はある程度まで行かないと日本人は普通は口に出さなくて、心の中にたまっている。しかし、戦後の比較的早い時期から、地方の日本酒の蔵元が、東京など大都市の、比較的地の利を得た場所にやや大規(guī)模の酒場をパイロット .ショップにとどまらず、積極経営で次々と支店を開店するものもあった。ひとつの企業(yè)の人間関係が崩したら、その企業(yè)も終わりだとも言えるからだ。ゆめゆめ酔って調(diào)子に乗るかもしれない。 居酒屋はその日本企業(yè)の「仲間意識｝を大切にしていることをよく語っている。なお、チェーン店を中心に基本的には、低価格で気楽に飲食できることを売りにしている店が多く、そのため、男女に関わらず、広い層を顧客としている。 居酒屋は本來、往來を歩いていて、店構(gòu)えなりに心ひかれ、日本の一種の文化を語っているものである。 注釈： [1]『古事記』：現(xiàn)存する日本最古の歴史書 [2]酒癖：酒に酔った時に起きる癖 [3]葦原王 :葦原の國の國王のこと [4]島流し :罪人を島または僻遠の地にうつした刑罰 [5]道鏡：奈良時代の僧 [6]幅を利かす：有勢力があること [7]糟湯酒 :酒の糟を湯に溶 かしたもの [8]遊女 :宿場などで歌舞をなし、また枕席に侍するのを業(yè)とした女 [9]城下町 :封建制領(lǐng)主の居城を中心として、その近傍に発達した市街 [10]しがない :取るに足りない [11]番士：番に當(dāng)て守る兵士 [12]小僧：商店に使われている年少の男店員 [13]『長者番付』：金持ちを上から順に列記したもの [14] カクテル：酒の名前 (雞尾酒 ) 。夕暮れや夜の闇にポツリと浮かび上がる大きな赤いちょうちんは、人をひきつける。また、新鮮な魚介類を提供していることを強調(diào)するために店內(nèi)にカウンターを作って目の前で調(diào)理してみせる店など、様々な工夫を凝らした店が多い。企業(yè)の人間関係も企業(yè)の強みだとも言えるだろう。上司も威張りだす、演説を始める、ほかの部門を批判する …… おなじみのパターンである。酒を飲むと気分が解放され、愉快になり、元気が出
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