【正文】 集りて「疾くおろさん。人々御み口に水を掬ひ入れ奉る。されど子安貝をふと握りもたれば嬉しく覺ゆるなり。それを見給ひて、「あなかひなのわざや。中納言はいはけたるわざして、病むことを人に聞かせじとし給ひけれど、それを病にていと弱くなり給ひにけり。かひはかくありけるものをわびはて死ぬる命をすくひやはせぬと書きはて絕え入り給ひぬ?！工取ⅰ噶Tりて見て參れ。嫗に內(nèi)侍のたまふ、「仰ごとに、かぐや姫の容いうにおはすとなり。かぐや姫に、「はやかの御使に對面し給へ。帝の御み使をばいかでか疎にせん。嫗、內(nèi)侍の許にかへり出でて、「口をしくこの幼き者はこはく侍るものにて、對面すまじき。國王の仰事を、まさに世に住み給はん人の承り給はではありなんや?！工趣い?。」と思しめして、竹取の翁を召して仰せたまふ、「汝が持て侍るかぐや姫を奉れ。翁畏まりて御返事申すやう、「この女の童は、絕えて宮仕つかう奉まつるべくもあらず侍るを、もてわづらひ侍り。この女めもし奉りたるものならば、翁に冠かうぶりをなどかたばせざらん。御み司冠つかう奉りて死ぬばかりなり。死に給ふやうやはあるべき。數(shù)多の人の志疎おろかならざりしを、空しくなしてしこそあれ、昨日今日帝のの給はんことにつかん、人ぎきやさし。』とまをす。 帝おほせ給はく、「造麿が家は山本近かなり。何か心もなくて侍らんに、ふと行幸して御覽ぜられなん?！工趣坡胜皮悉筏蓼丹螭趣工毪?、かぐや姫答へて奏す、「おのが身はこの國に生れて侍らばこそ仕へ給はめ、いとゐておはし難くや侍らん?！工趣啤⒂筝洡蚣膜护郡蓼栅?、このかぐや姫きと影になりぬ。もとの御かたちとなり給ひね。かく見せつる造麿を悅びたまふ。御心は更に立ち歸るべくもおぼされざりけれど、さりとて夜を明し給ふべきにもあらねば、歸らせ給ひぬ。かぐや姫のみ御心にかりて、た一人過したまふ。ある人の「月の顏見るは忌むこと。いみじく思し嘆くことあるべし?！工趣い铡￥挨鋳韦ⅳ胨酥沥辘埔姢欷?、なほ物思へるけしきなり。物なん心細く覺ゆる?！工趣啤ⅳ胜墼鲁訾扭欷?、いで居つ嘆き思へり?！工趣丹浃堡?、親を始めて何事とも知らず?！工葐枻窑丹铯??！护趣皮Δ脸訾鞘踏辘踏毪?。さらずまかりぬべければ、思し嘆かんが悲しきことを、この春より思ひ嘆き侍るなり。まさに許さんや。片時の間まとてかの國よりまうでこしかども、かくこの國には數(shù)多の年を經(jīng)ぬるになんありける。されど己が心ならず罷りなんとする。御使に竹取いで逢ひて、泣くこと限なし。御使仰事とて翁にいはく、「いと心苦しく物思ふなるは、誠にか。このもちには人々たまはりて、月の都の人まうで來ば捕へさせん。家に罷りて筑地の上に千人、屋の上に千人、家の人々いと多かりけるに合はせて、あける隙もなく守らす。翁も涂籠の戸をさして戸口に居り?！工趣い?。かくさしこめてありとも、かの國の人こば皆あきなんとす。さが尻をかき出でて、こらのおほやけ人に見せて恥見せん。いますかりつる志どもを、思ひも知らで罷りなんずることの口をしう侍りけり。御心をのみ惑はして去りなんことの、悲しく堪へがたく侍るなり。老い衰へ給へるさまを見奉らざらんこそ戀しからめ?！工趣亭郡撙颏辍￥长欷蛞姢?、內(nèi)外うちとなる人の心ども、物におそはるやうにて、相戰(zhàn)はん心もなかりけり。羅蓋さしたり。かぐや姫は、罪をつくり給へりければ、かく賤しきおのれが許にしばしおはしつるなり。翁答へて申す、「かぐや姫を養(yǎng)ひ奉ること二十年あまりになりぬ?！袱长摔悉工毪挨鋳?、重き病をし給へばえ出でおはしますまじ。格子ども人はなくして開きぬ?！工趣い丐嗓?、「何しに悲しきに見送り奉らん。「文を書きおきてまからん。月の出でたらん夜は見おこせ給へ。天あまの羽衣入れり?！工趣?、持てよりたれば、聊甞め給ひて、少しかたみとて、脫ぎおく衣に包まんとすれば、ある天人つませず、御衣みぞをとり出でてきせんとす?！工趣い窑莆膜??！工趣?、いみじく靜かにおほやけに御み文奉り給ふ。中將に天人とりて傳ふ。あの書きおきし文を讀みて聞かせけれど、「何せんにか命も惜しからん。 頁 30?！工趣?、藥もくはず、やがておきもあがらず病みふせり。この衣著つる人は物思もなくなりにければ、車に乘りて百人許天人具して升りぬ?！袱瘮?shù)多の人をたまひて留めさせ給へど、許さぬ迎まうできて、とり率て罷りぬれば、口をしく悲しきこと、宮仕つかう奉らずなりぬるも、かくわづらはしき身にて侍れば、心得ずおぼしめしつらめども、心強く承らずなりにしこと、なめげなるものに思し召し止められぬるなん、心にとまり侍りぬる?！工刃膜猡趣胜杲oふ?！工趣い窑?、「衣著つる人は心ことになるなり。ひとりの天人いふ、「壺なる御み藥たてまつれ。」と、かきおく?！工趣?、うち泣きて書くことばは、「この國に生れぬるとならば、嘆かせ奉らぬ程まで侍るべきを、侍らで過ぎ別れぬること、返す本意なくこそ覺え侍れ。具して率ておはせね。えとむまじければ、たさし仰ぎて泣きをり。」といふ。また他處ことどころにかぐや姫と申す人ぞおはしますらん。はや返し奉れ。」といふに、猛く思ひつる造麿も、物に醉ひたる心ちしてうつぶしに伏せり。立てる人どもは、裝束さうぞくの清らなること物にも似ず。望月のあかさを十合せたるばかりにて、ある人の毛の穴さへ見ゆるほどなり。翁、「胸痛きことなしたまひそ。思ふこともなく侍るなり?！护人激栅筏踏毪胜辍￥挨鋳い悉?、「聲高になの給ひそ?！刮踏韦い栅浃?、「御おん迎へにこん人をば、長き爪して眼をつかみつぶさん。これを聞きてかぐや姫は、「鎖し籠めて守り戰(zhàn)ふべきしたくみをしたりとも、あの國の人をえ戰(zhàn)はぬなり?！工趣い窑?、屋の上に居をる人々に曰く、「つゆも物空にかけらばふと射殺し給へ。母屋の內(nèi)には女どもを番にすゑて守らす。御使かへり參りて、翁のありさま申して、奏しつる事ども申すを聞し召しての給ふ、「一目見給ひし御心にだに忘れ給はぬに、明暮見馴れたるかぐや姫をやりてはいか思ふべき。竹取なく申す、「このもちになん、月の都よりかぐや姫の迎にまうでくなる。翁今年は五十許なりけれども、「物思には片時になん老おいになりにける。つかはる人々も年頃ならひて、立ち別れなんことを、心ばへなどあてやかに美しかりつることを見ならひて、戀しからんことの堪へがたく、湯水も飮まれず、同じ心に嘆しがりけり。こにはかく久しく游び聞えてならひ奉れり?！工趣?、泣きのしることいと堪へがたげなり。翁「こはなでふことをの給ふぞ。それを昔の契なりけるによりてなん、この世界にはまうで來りける?！护人激窑啤⒔瘠蓼沁^し侍りつるなり。人めも今はつみ給はず泣き給ふ。月の程になりぬれば、猶時々はうち嘆きなきなどす。これを見給へば物思すけしきはあるぞ。思すらんこと何事ぞ。なでふ物をか嘆き侍るべき?！工趣い栅蚵劋?、かぐや姫にいふやう、「なでふ心ちすれば、かく物を思ひたるさまにて月を見給ふぞ。七月ふみづきのもちの月にいで居て、切に物思へるけしきなり。御返事さすがに憎からず聞えかはし給ひて、おもしろき木草につけても、御歌を詠みてつかはす?！袱长热摔瑜辘悉堡Δ椁胜辍５郅挨鋳蛄簸幛茪wり給はんことを、飽かず口をしくおぼしけれど、たましひを留めたる心地してなん歸らせ給ひける?！工妊訾护椁毪欷?、かぐや姫もとのかたちになりぬ?！工趣埭筏啤ⅰ袱菠摔咳摔摔悉ⅳ椁钉辘堡?。帝「などかさあらん?！袱长欷胜椁蟆！工趣韦郡蓼悉?。かれば心ばせも世の人に似ずぞ侍る。猶仕う奉るまじきことを參りて申さん?！浮氦胜郅饯椁搐趣９伽膜倒冥?、我子を見奉らでは何にかはせん。なほやは仕う奉り給はぬ?！工茸啶?。かくたいしくやはならはすべき。帝聞しめして、「多くの人を殺してける心ぞかし?！工取⒃~はづかしくいひければ、これを聞きて、ましてかぐや姫きくべくもあらず。內(nèi)侍、「『必ず見奉りて參れ?！工趣い窑啤⒏艘姢妞伽猡ⅳ椁?。いかでか見まみゆべき。」といへば、「さらばかくと申し侍らん。ふさ子承りてまかれり。それよりなん少し嬉しきことをば、かひありとはいひける。これをかぐや姫聞きてとぶらひにやる歌、年を經(jīng)て浪立ちよらぬすみのえのまつかひなしと聞くはまことかとあるをよみて聞かす?！袱窑摔猡ⅳ椁?。この貝顏かひがほみん。辛うじて「御み心地はいかおぼさる。人々あさましがりて、寄りて抱へ奉れり。今はおろしてよ?！工壬辘工恕⒅屑{言「惡しく探ればなきなり。更に「夜さりこの寮にまうでこ。」と申す。中納言くらつ麿にの給はく、「燕はいかなる時にか子を產(chǎn)むと知りて、人をばあぐべき。せさせ給ふべきやうは、このあななひを毀ちて、人皆退きて、まめならん人一人を荒籠あらこに載せすゑて、綱をかまへて、鳥の子產(chǎn)まん間に綱を釣りあげさせて、ふと子安貝をとらせ給はんなんよかるべき?！工趣?、御前に參りたれば、中納言額を合せてむかひ給へり?！工葐枻悉唤oふ。もともえ知らざりけり。それにまめならん男どもをゐてまかりて、あぐらをゆひて上げて窺はせんに、そこらの燕子うまざらんやは。男ども答へて申す、「燕を數(shù)多殺して見るにだにも、腹になきものなり?！工?